福島県いわき市、富岡町へ

2013年4月30日 23時59分 | カテゴリー: 政治を変える

 

福島第一原発から10キロ、震災、津波によって被災したままの富岡駅

25日26日は、福島県いわき市へ。福島原発震災情報連絡センターの会合とスタディツアーにビジターとして参加した。全国各地から参加の議員さんとの交流も有意義だった。
初日は、いわき市職員から除染の現状、食品測定、ホールボディカウンターや甲状腺検査、町外コミュニティの取組状況を聞く。フクイチから30キロ圏内のいわき市は、震災、津波で9万棟が被災したにも関わらず、双葉郡8町村(双葉町、大熊町、浪江町、富岡町、広野町、楢葉町、川内村、葛尾村)南相馬市、田村市、川俣町、飯舘村などから24,000人の避難者を受け入れ、3,500棟の仮設住宅があるという特殊事情を知る。
除染は年間5㍉シーベルト以上の地区が優先となっていて、現在、主要な131の公共施設の除染が終わり、線量の高い4地区の住宅の除染の進捗率は2%とのこと。24年度の予算は特措法による国費で192億円(繰り越しあり)、25年度は270億円。町外コミュニティとは、ふるさとへ帰還するまでの長期間の拠点を整備する構想だが、制度設計がオーソライズされたものではなく検討の段階のままだ。いわき市では、1箇所に集中させるものではなく分散型の災害公営住宅設置が望ましいと考えている。

線量の高い樹皮がはがされ赤い木肌を晒す桜並木

2日目は、3月25日に9割の地区が日中の立ち入り禁止解除(避難指示解除準備区域)となった富岡町に入る。福島第2原発の近くを通過し楢葉町を越え線量は高くなる。常磐線富岡駅は震災、津波で壊滅したまま。駅前道路の信号は点滅し、車の行き来はあるが、人気はない。
桜並木は線量の高い皮がはがされ赤い木肌を晒す、そのあたりの線量は1.93μシーベルト、軽く頭痛がする。Days Japan5月号に「富岡町実測汚染マップ」が掲載されていて、地図上で便宜的に分けたとしか思えない3つの再編地区に関わらず、線量は高い。こういった土地へ帰還させようとする意味が私にはわからない。

いわき市に戻り、津波の被害を減少させた防砂林の松並木に沿って海岸道路を通り、久ノ浜の仮設商店街で話を伺う。黒い袋に入れられ田畑に積まれる除染土、スチール、木造などのさまざまなタイプの仮設住宅を見ながら、「いわき放射能市民測定室たらちね」へ。Days Japan、カタログハウスなどの支援を受け、食材放射能測定、ホールボディカウンター全身測定、甲状腺測定などを行っている。市民持ち込みの山菜・コシアブラから1,000ベクレルのセシウムが検出されたところだった。東村山市でも使用している食材放射能測定器ATOMTEXは、水を入れた箱で囲んで周りの放射線を遮蔽し測定している。

市民測定室たらちねの甲状腺測定器

今年3月から開始の甲状腺検査はボランティアの専門医によって行われ既に300人弱の子どもたちが無料でスクリーニング検査を受けている。ホールボディカウンターでの測定は有料だが、定期的に測定を行ってほしいと2回目からの費用を低くしているが、測定希望者は減ってきているとのこと。それでも、日々キャリブレーション、バックグラウンドの測定を欠かさず、急な事態に備えている。
沖縄久米島の保養施設「球美の里」プロジェクトに「たらちね」は参加し、今までに11回、2週間の保養プロジェクトに福島の子どもたちを送り出していているが、未就学児が保養できるように同行する親の保養休暇制度が必要との話も伺う。

いわきも富岡もさまざまな課題を抱え込んだまま、解決に向けた糸口が全く見えないといっていい。政治の力が機能していないことを今日も深く思い知る。(大塚恵美子)