就労継続支援B型事業所「なごみの里」視察

2013年10月9日 08時23分 | カテゴリー: 政治を変える

 8日、厚生委員会の所管事務調査事項である「障害者の就労支援」の一環として、市内の社会福祉法人・山鳩会の事業所「なごみの里」の視察を行った。

昭和60年に知的障害児の親の会から活動が開始した山鳩会は、現在、4か所の第2種社会福祉事業(あきつの里・愛の園実習室・みどりの森・なごみの里)と公益事業(心身障害児通所訓練事業・幼児訓練ポッポ)を運営するに至っている。
今回は、21年に3つの作業所などが障害者自立支援法に基づく新体系に移行し、多機能型事業所として発展させた「なごみの里」を訪ねた。

恩多町の準工業地帯にある大きなプレハブをリフォームした作業所に移転をされた「なごみの里」の施設長・真崎ひろみさんからお話を伺う。
かつて鉄工所だったという建物はかなり広く、内部は2階建てに改装され、明るく使いやすそうだ。案内された食堂は、調理室、数多くのダイニングテーブル、踏み台昇降の訓練の場としても活用されている畳敷きの「こあがり」やおしゃれな洗面台もあり、広く明るい。耐震化も十分とのことで、支えの鉄骨の数が目を引く。作業所の移転だったので公的な補助金は使えなかったが、日本財団、丸紅財団や出光財団からの支援を得て、約7000万円で移転と改装を行ったとのことだ。

「なごみの里」は、資源回収などを通じて日常生活介護や機能訓練も行う生活介護事業所(22人)も開設している。就労継続支援B型事業所には、徒歩や自転車、送迎のバスなどで通ってくる40人の利用者がいて、事業所内作業として紙箱折り、ショッピングバック作成、外作業では、都立中央公園の清掃作業、資源回収(新聞、段ボール、古着、アルミ缶)、老人ホームの花の水やりなどの作業を行っている。また、自主生産品として「ごませんべい」、新製品としてデビューが近い「ソースせんべい」づくりも7~8人で行っている。

8工程もある箱折りは一枚3.6円、公園清掃は年間収入100万円で週2、3回の作業を7~8人で請け負っているが、山鳩会の事業所での作業はそれぞれに制度や委託の条件も異なり、給与体系や待遇、作業工賃が異なるが、利用者はどの仕事も満足感を持って行っているようだ。課題は、工賃のアップ、一致した給与体系づくりとのことだ。

職員は正規4人、非正規6人の体制で、B型には7.5人に一人、生活介護は2.5人に一人が作業を支える。指導者として、理学療法士、作業療法士などの専門性ある人が個別支援計画を作成している。
一般就労への移行だが、「愛の園」は36人のうち8人が就労に結び付き、「なごみの里」では、事務所の軽作業、商店などでの訓練や就労に結び付くよう、それぞれの事業所で、企業、商店への開拓を進めつつあるようだ。
清瀬特別支援学校に通学中から実習に入ってもらうなどして作業や人の関係などに馴染んでもらい、卒業後は希望する作業所を選んでもらうことで、今のところ、定員と受け入れ実数がちょうどマッチしているようだ。「なごみの里」の食堂での昼食は調理室で毎日、2種類の献立を準備し、利用者が選択している。食事のみならず、人生において「本人の選択」という意思が働いてほしいと思う真崎施設長さんの願いが伝わってくる。

ちょうどお昼の時間となり、利用者が外作業から帰ってきた。1階の作業場では、いくつものテーブルでチョコレートの紙箱折り、アパレルメーカーの紙袋づくりなどを、利用者が熱心に取組まれていた。壁に向かって一人で集中して作業を行いたい人、数人でテーブルを囲んで作業をする人など、作業の体制は自由である。
大きなホワイトボードに、今、一人一人がどのような作業を行っているか、特別な事項はあるか、出勤の出や入りなども、誰がみても一目でわかるようになっている。

利用者に声をかけながら、見学のお礼をいい、自主製品の「ごまとソースのせんぺい」を11月の厚生委員会視察での先方への手土産として使うことを委員会として即決した。

市内の作業所などを見学させてもらうことで実作業や課題などを伺うことができ、理解は深まる。これから、就労支援のあり方を委員会で議論していくことになる。(大塚恵美子)