公共施設再生計画基本方針案と市庁舎耐震補強工事の選択

2013年12月11日 12時11分 | カテゴリー: 政治を変える

今、各地の自治体で「公共施設の更新問題」が大きな課題となっている。東村山市でも昭和40年代から50年代にかけて急増した人口に対応するため積極的に公共施設(公民館、図書館、集会施設、学校など)を整備してきた。その結果、そろって建物の老朽化が進み、昨年、市は劣化度診断を経て「公共施設白書」を作成した。市内には208の公共施設・ハコモノ(道路や橋梁は含まず)がある。多くの公共施設がH30年代後半から集中的に更新時期を迎えることとなり、現状の施設を維持していくことになると将来の大規模修繕と建替えによって30年間で約900億円もの更新費用が必要とされ、現段階で毎年30億円もの財源を拠出するには毎年10億円もの不足が生じることがわかった。

危機的状況に何の対策もしなければ、市民サービスに影響を与えることとなる。市ではH24年度から「公共施設再生基金」を創設し、庁内検討会議と市民、有識者による「公共施設再生計画検討協議会」を設置し検討を進めてきた。12月に「公共施設再生計画基本方針案」が作成され、12月中に8回に亘り、市内各地で説明会を進めることになった。その後、パブリックコメントを募集し、26年度に「公共施設再生基本計画」を策定し、27年度から具体的な取組を推進していくことになる。

 多摩26市も同じような状況にあるが、先日開かれた多摩市の公共施設再生に関わる説明会では、閉鎖や合併をする具体的な施設名も公表されたと聞く。進め方はそれぞれだ。東村山市では、他市にみるような「総量削減」はせず、配置計画の見直しはされても、中身の機能は確保する方向だ。

人口が微減してきた東村山市は高齢化率が23%を超す。まちの将来像を描きながら、今後のまちのあり方を市民も一緒に考えていく時期といえる。

運営の効率化、集約化・統廃合、新たな事業手法(PFI、PPPなど)、民間活用による複合施設運営、ハコモノの長寿命化など、さまざまな観点からの検討、工夫が必要となる。避けては通れない道だ。ぜひ、今後のパブコメにご意見を! 

施設の更新のなかでも市役所本庁舎の老朽化、および耐震度のないことが指摘され懸念材料だったが、「耐震化整備計画策定、設備老朽化調査委託」が完了し、報告があった。4月から耐震補強工法のあり方や建替えについて調査、検討が進められてきたのだが、早期に工事が完了し経費的にも効率性が高いとの判断から、延床面積を減少させない工法での「耐震補強工事+設備改修工事」を選択したとのことだ。耐用年数65年(補強だと残24年)で比較し、工事費(耐震補強、設備改修)工期1年半で約12.6億円。維持管理費を足して約41.7億円だ。一方で建替えとなると工事費で約41.4億円、工期完了までに10年近くかかり、維持管理費を足して約134.9億円との試算だ。防災拠点としての位置づけからも短期間での庁舎整備をとの判断もあり、総合的な勘案から補強延命化の道を決断したことになる。しかし、一概に異なる耐用年数でのコスト比較もつじつまが合わないように思う。決断の先送りとも見えないことはないが、今般の財政状況の中での今回の決断には賛成だ。(大塚恵美子)