釧路市・札幌市 厚生委員会視察報告

2013年12月13日 02時09分 | カテゴリー: 政治を変える

所属している厚生委員会の事務調査のテーマが「障害者の就労支援」であり、この間、市内の社会福祉法人「トーコロ青葉ワークセンター」や「山鳩会・なごみの里」などの作業施設や就労移行支援を見学してきた。また、生活保護受給者の自立支援の取組みも課題であり、生きづらさを抱えている人への先駆的なサポートを実践している釧路市、札幌市への視察を11月に行ったところだ。

釧路駅前の和商市場

●釧路市 「生活保護の自立支援プログラムについて」

釧路市は人口18万人、炭鉱の閉山、リーマンショックのあおりによって生活保護率が54.6%と高く、18人にひとりが生活保護の受給者であり、母子世帯の受給率が高い自治体だ。
H16年度から国の「母子世帯自立支援モデル事業」を受託し、釧路公立大学との共同研究を経て、母子世帯に限らず、生活保護受給者の自立をエンパワメントするために、地域資源を活用しながら単なる就労支援に終わらず、社会的自立、日常生活自立を同じ価値観で図る「自立支援プログラム」による施策を進めてきた。
受給者の自尊意識を回復させ、中間的就労として地域のNPO等各事業者と協力し、「就労支援プログラム」のほかに、有償無償の「就業体験的ボランティアプログラム」「就業体験プログラム」によってボランティア活動やインターンシップ活動を通じ受給者の自分

釧路市生活福祉事務所の早竹所長補佐と同行の生活福祉課長

を生かす場・居場所づくりに取組んでいる。受給者に対応するケースワーカー(職員)のみならず専属のコーディネーターである自立生活支援員や就労支援員を嘱託で配属している。受給者は自立支援に協力する動物園、公園、介護施設、農園などでのボランティアを選択し、社会参加のきっかけを得ることによって変化が生じ生きることに積極的になる。就労に結び付くケースが増えてきたが、地域性によってパート労働が多いことから実質の保護率は変わらなくとも、保護費の予算は削減することができている。当事者と援助者が同じ地域でともに生きる「自立支援」のあり方といえ、子ども部会としてNPO地域生活支援ネットワークがコミュニティハウス冬月荘での学習支援など貧困の連鎖を切る取組む視点も特筆すべきものがある。釧路市生活福祉事務所編集委員会による「希望をもって生きる 生活保護の常識を覆す釧路チャレンジ」に自立支援プログラムの現状が詳しく掲載されているが、何より取組む職員の人としての包摂力、向かい合う熱意を痛感した視察となった。 

●札幌市 「障害者就労支援について」

 

札幌市役所ロビーの協働事業所「元気カフェ」で

人口190万人の政令指定都市札幌市では、障害者就労支援の具体的実践を学んだ。市内に気軽に相談できる18カ所の「相談支援事業所」があり障害者の就業面、生活面双方の相談支援を行っている。「自立支援協議会」がH18年に設置され、各区にある地域部会のほか、専門部会として就労、相談、こどもに関する専門部会も設置されている。
特徴的な支援として、自立支援協議会によるジョブコーチ養成研修などの育成や、国制度の配置型ジョブコーチのほかに就業生活相談支援事業において、不足の補完やジョブコーチの支援対象外のフォローを行うため、ジョブサポーターを配置し離職防止に取組んでいる。
雇用の場の拡大では、「協働事業運営補助金」を活用し障害者を5人以上雇用し、一般の従業員が支援を行いながら共に働く民間企業等に対し運営経費を補助している。H24年には297人が一般就労へ移行している。
障害者、福祉サービス事業所、民間企業等に対する研修、企業の開拓等を行う事業を「キャリアバンク」に委託し、福祉的就労支援に対しては工賃向上に向けた取組みとして、作

札幌市大通りとテレビ塔

業品の常設販売所の運営経費補助の実施や、ホームヘルパー養成講座の実施しによって134人が終了している。
市役所ロビーに「協働事業所」として「元気カフェ」が開設されていて、障害者が実際に働く現場も視察させて戴く。出来うるアイデアを出し、排除せず共に生きる姿勢に大きな学びを得た視察となる。厚生委員会としてコピーにあらず東村山市の施策への提案力が問われる。(大塚恵美子)