子宮頸がんワクチン副反応検討部会 結論持ち越しへ

2013年12月26日 05時49分 | カテゴリー: 政治を変える

厚労省「子宮頸がんワクチン副反応検討部会」傍聴後の被害者連絡会記者会見

25日、厚生労働省「第6回ワクチン分科会副反応検討部会」子宮頸がんワクチンについての議論を傍聴した。150人以上の傍聴か、私は77番、報道陣も多く物々しい雰囲気の中、4時から7時までの議論、そのほとんどが厚生労働省担当からの報告と7人の参考人からの意見陳述に費やされ、残り20分に満たない質疑によって、更に調査が必要との座長の判断で、結論は持ち越しとなり、即時接種中止とはならなかった。

しかし、不可解というか更に疑念が深まる会議ではあった。6月の検討部会で座長をつとめ、「接種勧奨一時中止」を決めた桃井眞里子委員はじめ10人の専門家委員によって構成される部会なのだが、ほとんどの委員が、子宮頸がんワクチンの製薬会社グラクソ・スミスクライン株式会社(サーバリックスワクチン)かMSD株式会社(ガーダシルワクチン)から50万円あるいは100万円以下の研究費などを受領しているのだ。これらの委員は議論に参加はしても決議に参加できないため、6月の検討部会では4人の委員による決議となった。まず、委員が公平な立場にいないということではないか。

副反応検討部会傍聴、ほとんど委員の顔が見えない。会議中は撮影、ビデオ、録音、すべて禁止。知る権利共有できず。

厚労省からの資料は膨大で、さまざまな分析がこらされているが、データのピックアップに偏り(症例、海外の状況報告など)があり接種推進に向けての資料といった内容だ。今回、サーバリックス(21年12月販売開始)の25年9月末までの副反応報告総数1910、うち重篤の報告総数415、ガーダシル(23年8月販売開始)の副反応報告総数410、うち重篤の報告数123、合計で2320件の副反応報告(製造販売業者、医療機関)があり、重篤の報告数は538件とのことが明らかになった。傍聴を行ってきた「子宮頸がんワクチン被害者連絡会」が受けた相談件数は800件を越し、副反応症例は200件となっているが症例が参考資料として添付されていた。

議論がすりかえられた感じを抱いた点に、副反応症状のうち、「疼痛」痛みが極度に取り上げられ、全身に多発して及ぶ症状については軽視されていて、痛みの原因に心理的ストレスや環境要因などが参考人からも持ち出され、不登校の被害者が多いかのような報告もされた。副反応を「痛み」に特化しクローズアップさせることで国が全国に10か所のペインクリニックを指定したことに通じている。

厚労省は、ワクチンの有効性について「ウィルスへの感染自体は必ずしも致命的な事態ではない」「がんそのものを予防する効果は現段階では証明されていない」としている。ところが、参考人のひとり、産科婦人科学会の斉藤氏によれば、HPVワクチンはがん形成の原因を断つと断定し、子宮頸がん死亡数は減少しておらず(2012年2712人)、日本の検診率の低さは国民的特性、風土によるもので今後も大幅な増加は期待できないとした。それでは、検診の年齢を下げたり、イギリスのコール・リコールシステムの先駆的実践になぜ学ばないのか。死亡数はどの年代に多いかは語らず(死亡者は60歳以上が70%)、「日本だけが子宮頸がんを撲滅できない国として取り残される」と。「ワクチンを受ける権利と機会を奪うことのない対応が必須」との推奨の弁には開いた口が塞がらない。

参考人の池田氏(信州大)は、6か月間で被害者49人の診察をされ、CRPSとの関連などを報告された。副反応被害者に不登校の子が多いかとの質疑に、「私が診察した中ではゼロである、全ての子が学校に行きたがっている」とし、痛みや不随意運動は自律神経や末梢神経、交感神経への影響によって起き、全ての説明がつかず、不安が残る、とされ、専門医が対応できる体制づくりを訴えられた。

同じく参考人の佐々木氏(国立精神・神経センター)は、35人を診察されてきたが、全身反応について「身体所見から予測されるよりも社会的障害がはるかに大きい」「症状は意図的に作り出されたものではない」と意見陳述をされた。接種後の体調不良はワクチンが誘引となって諸症状が始まり引き続いているとし、初めからワクチンと切り離して「心因性疾患」「精神的疾患」として扱うことは本末転倒、因果を無視したものとされた。今後、同じ症状の人が必ず出てくる、その発生予防のため、ワクチンを受けない選択、痛み治療、自律神経症状の治療の充実などを提言された。また、痛みなどは体質や社会的要因によるものか、との質疑には「誰にでも起きうる」とされた。実際に症例を診察された所見からの池田氏、佐々木氏の発言には大きな意味があった。

今日の検討会傍聴の総論として、想定が不確かな将来の子宮がん死亡率20%減少のために有効性が証明されていないワクチンを用い、重なって起きる副反応症状のため通学すらできなくなった被害者の少女たちの救済や被害の広がりに目をつぶろうというのか。リスクはよくあることと黙殺するのか。薬やワクチンには巨額の利権構造があることは事実であり、接種再開、推進は誰に利益があるのか、誰が被害を蒙るのか考えざるを得ない。腐敗である。

傍聴ののち、厚労省内で「被害者連絡会」が記者会見を開き、松藤代表が声明文を発表した。多くの報道陣の取材を受けたが、「被害者連絡会」では、6万人以上の署名も提出し、被害者である少女や保護者も同席して、今、起きている症状のことや、学校にいきたい、2次被害3次被害を受けないよう助けてほしい、救済をと訴え、10人の検討部会委員に160人の副反応症例のファイルを手渡してきた経過も報告した。中学2年生の少女は、傍聴の申請をしたが、厚労省から「医務室の準備がないので傍聴は許可できない」と拒否され、「厚労省が認可したワクチンが原因であり、私自身のことなのに、どうして傍聴ができないのか」と訴えた。

横浜市議会から「接種中止を求める意見書」、全国市議会議長会から要望書も出されている。
次回1月の検討部会での議論に際し、ひとりひとりの委員が現実に起きていることに対し、真摯に向き合ってもらわなければならない。(大塚恵美子)