「チェルノブイリ28年目の子どもたち」Our planet-TV上映会

2014年4月19日 12時59分 | カテゴリー: 政治を変える

市民メディアとしてジャーナリズム精神を発揮するインターネット放送局「NPO Our planet-TV」白石草さんが、昨年11月にウクライナ、コロステンにチェルノブイリ事故28年後の現地取材を行ってきた。帰国後、報告会が開かれたが、この18日、43分に編集した映像が公開された。
花冷えの一日。福島第一原発事故4年目の日本の歩む道との違いを確認する。

日比谷図書文化館ホールで、Our planet TVの取材映像「チェルノブイリ28年目の子どもたち」の上映とトークが始まった。昨年、白石草さんが取材をしたコロステンはチェルノブイリ原発から140キロ、人口65,000人の市だ。ウクライナ政府報告書によれば、「汚染第3級のゾーン・自主避難区域」と「第4ゾーン・放射線監視区域」にあたり、事故後の放射線量は毎時10μSvhを超え、現在は0.060.1μSvhとなっている。
コロステン第12学校(1年生から11年生まで生徒数645人)、市立外来患者病院、国立放射線医学研究所の取材を中心に子どもへの長期に亘る低線量被曝の現状と健康管理、保養の重要性、個人のデータベースの蓄積などにスポットをあてている。
事故後28年が経過するチェルノブイリ原発周辺で、事故後に生まれた子どもたちに放射性物質が影響を与えたと思われる疾病や障害(再生不良性貧血、造血器官疾病、がん、甲状腺疾患、慢性肝炎、循環器系疾患、呼吸器疾患、疲れやすいなど)がまだ多発している現実がある。第12学校の校長によると、この学校で校長をしてきた12年間に白血病の子が4人いて、うち2人が死亡している、また教師も3人死亡したと語る。低線量被曝、晩発性の課題はこのように時を経て現れる。28年経過しても、「チェルノブイリ法」に基づき、汚染地域の学校では授業短縮、体育におけるクラス分け、汚染のない食材による給食の提供、年間42日間の保養が無償で提供されている。

原発事故後3年の、日本政府の考え方は「100ミリ以下は健康に影響がない、居住リスクはない」「支援を受ける汚染地域は避難指示区域のみ(双葉郡周辺)」。ウクライナ政府は「低線量被曝の影響はある、居住リスクがある」「支援を受ける汚染地域は0.5ミリ以上の地域」と大きく異なる。福島県民を対象とした福島県立医大による県民調査のみの日本だが、ウクライナでは、0.5ミリ以上の地域住民には年1回の健康診断があり、問題があると精密検査が行われ、国立情報センターがデータを一元化している。

生徒の家庭を取材した映像からは、母親が語る子育ての喜びとともに、ぬぐいされない不安、苦悩、苦難が浮かび上がる。ウクライナ政府の「子どもの健康を大事にする必要がある」との保養の重要性を含んだ出来うる限りの予防対策のあり方、「子どもは私たちの未来」と語るおとな。翻って「原発事故子ども被災者支援法」の骨抜き基本方針との違いを、くっきりと浮き彫りにする映像の力。

上映後のトークでも明確に語られるチェルノブイリ法の「居住コンセプト」。「帰還」促進のために、ないがしろにされた「子ども被災者支援法」の「被曝をさける権利」「避難の権利」、避難の選択肢を切り捨ててきた我が国の避難政策の恣意的な作為に怒りを抱く。
現実が示す稀なる説得力に、上映権付きDVDを予約してしまう。近々、私んちでやるよ、キネマ・カフェ、いらっしゃいませね!
それにつけても連日の報道にあるウクライナ情勢、子どもたちへの影響が気にかかるが
。(大塚恵美子)