子どもの権利条約批准20年 子どもへの受難がつづく

2014年4月20日 07時23分 | カテゴリー: 政治を変える

 

子どもの権利条約批准記念シンポジウム「東京都・自治体の子どもの権利施策はどこまで進んだか」開催 森田明美さん、喜多明人さん、荒巻重人さんからの報告がされた

今年は「子どもの権利条約批准」20年、11月には、国連採択25年を迎えます。しかしながら、「子ども子育て関連三法」「子どもの貧困対策法」「いじめ防止対策法」など法律が整備されても、子どもの貧困化、虐待、認可保育園待機児は減るどころか、理念と子どもが育つ現実との乖離が大きく、権利の保障とはほど遠い現実がつづきます。 

子どもの15.7%が貧困の状態にあり、108万人を超える母子家庭の相対的貧困率は48.6%とされます。パート労働を掛け持ちし、子どもと過ごす時間ももてず、支援策や制度が追いつきません。ネット上でベビーシッターを探すという究極の選択をせざるを得ない事態が事件へと発展しました。収入も処遇も十分ではない非正規雇用では子どもを認可保育園に入れることも叶わず、それでも働かないわけにはいかない悪循環がつづきます。5月には保育園待機児の数が公表されますが、東村山市では杉並区のような不服申し立てに至らずとも、入園申請者への不承諾は282人となっています。障害児受け入れ枠を各保育園は設けていますが、障害児にも待機児のいることが予算委員会の質疑で明らかになりました。

電車内で子どもを連れたママへの視線は厳しく、ベビーシッターの事件でも、ママへのバッシングが昂じています。子育て支援は立ち遅れ、子どもを産み育てるあたりまえのことに世間は冷たい。合計特殊出生率1.41の低さには理由があるわけです。

「新制度」は子どもの利益になるか
2015年度から導入される「子ども子育て支援新制度」では、小規模の認可外保育所は「地域型保育事業」として市の認可事業となります。民間活力を導入する市場化の方向に大きく転換することになりますが、基準緩和への注意が必要です。

公立保育園と私立保育園の保育士の処遇の格差が大きく、勤続年数が8.4年とされる保育士不足への対応として「処遇改善補助金」が予算化されましたが、国では新制度に対する予算措置を1兆円としていたものの、4000億円の財源不足が明らかになりました。また資格取得を簡易化する「准保育士制度」が検討されていますが、処遇改善に結びつかず、「保育の量と質の確保」に逆行することになりかねません。

教育現場だけでは限界が
就学後の子どもの課題には、学校の対応だけでは限界があることが認識されてきました。子どもと親の丸ごとにアプローチしなければ子どもの困り感に対応できず、スクールソーシャルワーカーの配置など福祉と教育のドッキングが不可欠です。いじめ対策に特化しても家庭、親、教師の不適切な課題は解決できず、子どもに対する第三者的な独立性をもった救済のしくみがなければなりません。

障害児の抱える課題についても、2011年の「改正障害者基本法」によってインクルーシブ教育に向けた方向性が示されましたが、移行の仕方に道がみえないまま分離教育が「保護者の意向」「合理的な配慮」として今なお王道という現実です。 

子育て支援や健全育成事業ではなく、子ども自身の育ちや肯定感を支えるしくみをたゆまず考えていきます。(大塚恵美子)