「子ども・子育て支援新制度」 市内の認定こども園を視察

2014年5月28日 22時51分 | カテゴリー: 政治を変える

 

東村山むさしの認定こども園で

 H27年度から施行の「子ども・子育て支援新制度」だが、国の準備が大幅に遅れ、430日に学童保育の設備、運営に関する省令基準案がようやく出された。また526日に、国の「子ども・子育て会議」と基準検討部会の合同会議が開催され、保育料の公定価格の仮単価、利用者負担に関する基準が示された。
 自治体は、新制度の事業化に向け、教育・保育・子育て支援の「量を見込むニーズ調査」を終え、保育と学童クラブに関する基準を定めた条例策定、事業計画策定へと進むことになる。

 新制度については、昨年12月議会の一般質問で取上げたが、国の具体的な基準案や省令がみえない状況にあり、雲をつかむような理念を問う「禅問答的」質疑応答に終わった。今回6月議会では、9月の条例化を前に、具体的な質問を通告している(質問日は69日午後)。

 この26日には、新制度の目玉でもある「認定こども園」を厚生委員会で視察した。認定こども園はH1810月から制度がスタートし、「幼稚園と保育所の両方の良いところを活かした施設」とされ、子どもの教育、保育、子育て支援を総合的に提供する新しい選択肢とされている。しかしながら、普及は停滞し、H264月現在、設置数は全国で1359箇所、都内には103箇所とされている。東村山市内では「あきつ認定こども園(幼稚園型・単独)」と「むさしの認定こども園(幼保連携型・並列型)」の2箇所の認定こども園が昨年より動き出していて、それぞれの特徴を理解する視察となった。

 S55年に学校法人化された「秋津幼稚園」は、年々園児が減少傾向となり、早朝預かり保育と夕方6時半までの預かり保育を行ってきたことから、実質的に「預かり保育」と変わらない(ハードルの低い)幼稚園型(単独型)の「あきつ認定こども園」の取組みを昨年12月から開始した。現在、幼稚園園児は130数人、保育機能登録者は20人とのことだ。クラス編成もカリキュラムも従来の幼稚園と変わりなく同じで、登録者の預かり保育の部分だけがプラスされる。園児が園庭でドロンコ遊びに熱中する魅力的な授業中だったが、ごく当たり前の幼稚園風景と変わらなかった。

 「東村山むさしの認定こども園」には幼保連携の可能性と合理性、なによりあまりの建物のコンセプトやステキさに度肝を抜かれた。比較的、我が家の近くなので幼稚園、新たに建った認定こども園園舎を横目に通り過ぎることはあったが、外観は落ち着いて周辺の環境に馴染んでいたので、内部のインパクトには気づかなかったのだ。
 こちらは、幼保連携型(並列型)で、学校法人の「東村山むさしの幼稚園」は昨年創立40周年を迎えた歴史をもつ。H22年から幼稚園型(単独型)の認定こども園を併設し、「あきつ認定こども園」と同様の預かり保育を拡大してきた。今年度から幼稚園と保育園の優れた部分を共有、連携する施設として「幼保連携型」へと展開した。

 敷地の北側に幼稚園園舎と園庭があり、雑木林をはさんだ南側の畑地を借地し、煉瓦とガラスと木材を効果的に多用したスタイリッシュでセキュリティも万全の認定こども園園舎(保育園)が建っている。園庭も雑木林の遊び場も共有で、同じ時間に幼稚園の体育の授業が行われ、大きな別の遊具では、こども園の園児が遊んでいた。給食(調理委託)もこども園で500食をつくり、幼稚園にも提供しているそうだ。施設間の共有は園庭以外に体育館も。セキュリティは万全でも、地域や卒園児にも開放され、資源の地域還元も行っている。現在、幼稚園には268人、こども園には100人の園児が在籍し、2つの施設を合わせて69人(正規38人)の教諭、保育士がいる。
 
文科省、厚労省の縦割りが妨げていた連携が内閣府に一元化された幼保連携型では就業規則や給与体系の一本化がされ、教諭と保育士の連携や異動も可能とし、実質的に施設もカリキュラムも互換性が可能となっている。こども園では、幼稚園のプレ教室として1、2歳の子どもたちを見ているそうだ。
 
ホンモノを使った園舎が与える影響を語る学園長は、「互いの制度を利用し幼保の連携システムを有効に組み込んでいく」と園が発行する「むさしの新聞」に書いている。「幼保混同、一体化ではなく幼保連携を」選択したと。看護師も常駐するこども園は隔離型の部屋もあり、今後、病後児保育などの可能性もありそうだ。また学童保育を併設しても不思議はない環境づくりとなっている。百聞は一見に如かず、ということで視察が400件を超えているそうだ。 

 来年の新制度開始によって私立幼稚園の制度が大きく変わることになる。私立幼稚園は、①認定こども園になり国の施設型給付を受ける(利用者を選別しない応諾義務あり)、②幼稚園のまま市町村所管、新制度の中で施設型給付を受ける(応諾義務あり)、③制度に入らず自由価格、従来の私学助成で運営する(応諾義務なし)、といった3つの選択肢から進路を選ぶことになる。私学の建学の精神を重視し独立型の運営を続けるか、新制度の中で可能性を追求するか。公定価格が公表されたことから、「認定こども園」に移行する幼稚園が増えるかどうかが注目される。
 
もちろん、こどもの利益となる「質」が求められる訳だけれど。(大塚恵美子)