見えない子どもの貧困 16.3%にどう向き合うか

2015年1月28日 23時05分 | カテゴリー: 政治を変える

 厚生労働省の調査では子どもの貧困率は16.3%と上昇し、就学援助を受けている子どもの率に相当します。ようやく2013年に「子どもの貧困対策法」が成立しましたが、300万人といわれる貧困状態の子どもは見えにくいままです。8月に出された「大綱」も具体性に乏しいものです。

 子どもの貧困とは、遊ぶ、学ぶ、文化に触れる、進学など多くの人との出会いや機会が減ってしまうことです。情報が途絶えがちな家庭に向き合う、学校や保育園、医療機関、行政など子どもと接する最前線の感度が重要です。事実が把握できる場所である学校や保育園に、学校と家庭と地域、行政を必要に応じて結ぶスクールソーシャルワーカーの役割が欠かせません。

 昨年、訪問した京都にある「NPO山科醍醐こどものひろば」は、子どもの体験、文化活動を豊かにする先駆的な取組みで子どもの貧困に向き合ってきました。夜の時間にひとりで過ごす子どもとともに夕食、入浴、家庭学習の機会を「トワイライトステイ」として提供しています。規則的な生活を大事にすることで、誰かと一緒にいる自分に気づき自己肯定感も育つ、そんな取組みが地域に必要です。京都府では、「山科醍醐こどものひろば」理事長の村井琢哉さんを「子どもの貧困対策検討会」委員に迎え、対策法に定めた都道府県の努力義務である「子どもの貧困対策計画」を策定しパブコメの募集を終えました。
 
地域でできることとして、豊島区の「要町あさやけ子ども食堂」に見るような、月に2回、子どももおとなも一緒に夕食をとる「子ども食堂」の実践も進みつつあります。

 124日に「なくそう!子どもの貧困全国ネットワーク」の情報交換会に参加し、内閣府の「子どもの貧困対策に関する検討会」委員として、「学校をプラットフォーム」とする対策を提案した末富芳さん(日本大学准教授)の話に、学校と家庭と地域を結ぶキーパーソンとしてのスクールソーシャルワーカーの役割など具体的なヒントがありました。
 情報交換会では、藤沢市の生活福祉の分野に「子ども支援員」を配置したことや、杉並区の学校でのケース会議をスクールソーシャルワーカーが主宰することなども、背中を大きく押された思いがしました。

 見えないとせずに困窮のサインをどうキャッチするか。子どもが変わるとおとなも変わる。世帯まるごとの支援が必要です。孤立や分断と格差の中で「子どももおとなもひとりにしない」まちをつくるため、地域でできることは、おとなの叡智を集めたい。
 行政の支援、計画づくりは、「子ども子育て支援新制度」「生活困窮者自立支援法」と絡めながら全体のグランドデザインを描くことが必要と実感しました。これまで提案してきたスクールソーシャルワーカーの配置とともに追及し提案していきます。(大塚惠美子)