不安が先立つマイナンバー 私たちの暮らしにどう影響する?

2015年10月13日 00時00分 | カテゴリー: 政治を変える

27年度予算特別委員会や、昨年の12月議会でも一般質問で取上げ、76日に「共通番号いらないネット」の白石孝さんと自治体議員が記者会見を開き警鐘を鳴らしてきたマイナンバー制度(社会保障・税 共通番号制度)が10月から動き始めた。
  認知度は低いが、住基ネットに替わる総背番号制度だ。2017年から10%となる消費税の「軽減税率」適用にマイナンバー「個人番号カード」が使われる?と、にわかに脚光をあび、その後、却下となったひと悶着もあったが、暮らしへの影響はどのようなものだろう。 

自治体の委任による地方公共団体情報システム機構から、国内の全住民一人ひとりに12桁のナンバーが付番された「通知カード」が10月より簡易書留で発送される。制度の目的は国民の利便性の向上、行政の効率化とされ、20161月から利用開始となるのが税・社会保障・災害対策の3分野だ。

希望者は1月からICチップを埋め込んだ「個人番号カード」を申請することになる。あくまで「個人番号カード」の保有義務はなく任意だ。国の押し付けによる法定受託事務ではあるが、個人番号カードがなくても、全ての行政手続きに不利益を生じさせない、と東村山市議会で確認済みだ。
手続きの簡素化という恩恵はなくても暮らしに影響はないはず。しかし、徐々に利用範囲が拡がると流出リスクは高まる。

マイナンバーによって、一人ひとりの税、年金など社会保障に関する情報が一元化されることで国に管理され、17年には全国の地方自治体間での情報連携が実施となる。制度施行前に法の拡大改正によって、18年から健康分野と金融機関の預貯金口座の情報(3年間は任意)がマイナンバーに組み込まれることになった。企業に雇われている全従業員の給与、源泉徴収、社会保障の手続きに必要ということで、勤務先から番号の提供を求められることになる。徐々に公的個人認証サービスに使われることになり、暮らしにまつわるあらゆる分野の情報が共通番号で国に一元管理されることになる

素通しの管理社会。誰にとって都合がいい?
自治体にとって拒否できない法定受託事務のため条例化が迫られ、東村山市議会でも9月議会で4件のマイナンバー関連条例が可決となった。
制度化に伴うシステム改修に東村山だけでも53000万円以上を費やし、国費は100%面倒をみない。国の準備やソフト開発が遅れ、これからもIT特需は続き3兆円の市場とされる。
個人情報の分散管理が義務付けられているが、情報が漏れやすいのは、地方自治体と企業だとされる。国内の企業400万件のうち9割が中小企業であり、ハッキングや情報漏洩の対策は完全ではない。年金機構の個人情報漏洩だけではなく、すでにマイナンバーの誤記(取手市)や詐欺、厚生労働省職員による収賄が起きている。

国は特定秘密保護法で何が特定秘密なのかも明らかにせず、盗聴法、共謀罪の適用とともに暮らしを管理、圧迫し、知る権利は侵害される。この一連の流れの中に、個人情報漏洩や、なりすましのおそれが払拭されないままマイナンバーは位置する。アメリカや韓国などでは、個人情報の漏洩が大問題となり、イギリスでは廃止している。

「個人番号カード」浸透のターゲットイヤーは2020年。生体認証も組み込まれ、東京オリンピック競技会場の入場に使われ常時携帯が迫られることになりそうだ。

プライバシー権の侵害に踏み込むマイナンバーの必要性を市民一人ひとりが意思をもち判断しなければならない。まずは「個人番号カード」の申請はしないといった非暴力レジスタンスで、私はいく。(大塚恵美子)