虐待対応は189では終わらない

2015年10月27日 03時43分 | カテゴリー: 政治を変える

__ (191) (640x478)26日の夜は、小平にある児童養護施設「二葉むさしが丘学園」のオープンカフェに寄ってきた。 夜のオープンカフェだったからか参加者は3人。職員さん2人とコーヒーを戴きながら施設の様子や、子どもたちの生活、体制の課題や里親、フレンドホームのあり方、ボランティアのかかわりなど幅広くお話しを伺い、意見交換をしたり。 少人数だったので、あるべき「社会的養護」についてじっくり率直に課題についてもお話しができた。 都内の児童養護施設は63カ所、2歳から18歳までの、家庭で生活できない事情の子どもたち3200人が生活している場だ。 こちらには8人の小規模ユニットが8つあり、9月に新しい生活フロアーができたばかり。

__ (192) (478x640)社会的養護の類型には、児童養護施設、児童自立支援施設、情緒障害児短期治療施設、乳児院、養育里親、ファミリーホームがあり、アメリカ、イギリスなど欧米に比べ、圧倒的に里親よりも施設が多いことが日本の特徴だ。児童養護施設に入所している子どもの6割が何らかの虐待を受けているとされる。ネグレクトが最も多く、母子家庭が大半を占めている。平均年収は183万円といわれ、相対的貧困率は58%だ。そこに視点を向けず、ひとり親家庭に対する「社会的ネグレクト」が問題だとの指摘もある。施設か里親かの二者択一ではなく、どちらも活用し、地域で支援のネットワークをつくっていくことができたらと思う。

小金井にある児童養護施設退所者のアフターケア相談所「ゆずりは」をこの夏、訪問し話を聞いた。養護施設に在籍中の子どもの養育を保障するだけでなく、退所後も見守り続け支援する役割があるとのアフターケア(生活支援、住居支援、スキルアップ・就労支援)の支援窓口だ。18歳退所とともに自立が身に着くわけではなく、マイナスの連鎖をうまないためにもサポートが必要だ。

20歳まで入居できる青少年自立援助ホームも「子ども子育てビジョン」で160カ所と目標が掲げられ、2011年度に措置費の定員払いが実現したことで増設されたものの、入居者が少ないと措置費減となり厚生労働省は「入居者への丁寧な支援」、「退去者支援」の重要性を強調していてもそれに見合う職員費をつけず、多くのホームが措置費の中で支援の質を確保することに悩んでいる。

全国207カ所の児童相談所が2014年度に対応した児童虐待の件数(速報値)が、前年度比1万5129件(20.4%)増の8万8931件に上ることが8日、厚生労働省の調査で分かった。1990年度の調査開始以来、24年連続で過去最多を更新した。児童相談所のケースワーカーも不足し、一時保護所も満員だ。厚生労働省が虐待ダイヤル「189」を開設しても、受け皿が十分でないのが現状だ。しかもこの「189」はかけてから、地域の児童相談所につながるまでに長い時間がかかる、こんなに根気よくやれるものかとあきれ果てる。

帰りに新しい児童棟の横を通ると、洗濯物をベランダに干している男の子が。遅い時間にごめんね!と声をかけると、にっこり笑い返してくれた。
地域に知ってほしいと施設の取組みをオープンにしている二葉むさしが丘学園、地域の支え合いのプラットフォームに、との現場の思いが伝わってくる。(大塚恵美子)